うだうだとした暑さの午後、アイスキャンディーを齧りながら、私はぼんやりしていた。アイスキャンディーの冷たさ以外はなにも感じたくなくて、あえて外部からの情報をシャットアウトする。
つい数時間前、1枚のDVDを観た。DVD買取を行っている店舗で見つけた、中古DVD。今じゃヒットチャートに名を連ねる、売れっ子アーティストがまだ無名の頃、出演した青春映画。大して期待もせず、物珍しさで買ってみたのだ。
ところがこれが大当たりだった。心無い人々に深く傷つけられた少女と、自己の性について悩む少年が、なんとか自分自身を見つけていくというストーリー。そのアーティストは、まだあどけなさが残る顔で、その少女を力いっぱい演じていた。DVDのジャケットをみてみると、もう10年以上も前に公開された作品だった。
こうした作品にめぐり合えたとき、DVD買取という制度に感謝する。誰かがこのDVDを売ってくれたおかげで、私はこんなにも充実した時間を過ごせたのだ。
元の持ち主は、いったいどんな感想だったのかな。私はアイスキャンディーが溶けるのもお構いなしに、たっぷりとDVDの余韻を楽しんだ。
それはそれは、素敵で楽しい宝物のような時間。
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